

形状別・屋根材別、様々な屋根の面積の求め方

様々な屋根の面積の求め方

だからと言ってどこの施工店が正しい面積で算出したのか見当がつきません。
また、雨漏りや破損で急な補修工事に迫られた場合、流れで工事をお願いしたが本当に適正な費用だったのか?と後で後悔しないように、大まかにでも屋根面積を把握しておくとスムーズに補修工事が行えると思います。
では実際どのように屋根の面積を求めるのか、いろいろなパターンで紹介していきます。
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。
動画で見たいという方は是非ご覧ください!
[1] 住宅の図面が無い場合



これは一般的な和型の瓦の場合です。セメント瓦(平瓦)は1枚が大きい為、一坪に40枚使用しています。
40×25=1000(枚) 1000÷53….18.9(坪) 18.9(坪)×3.3(㎡)=62.37(㎡)が片面になりますので2倍の124.74㎡が屋根の面積です。
[2] 住宅の図面をお持ちの場合

上から建物を見ているもので間取りが分かるような図面

建物を四方から見ているもので建物の外観そのままの図面

軒の出は住宅それぞれの形状に合わせて長さが違い、軒の出がない住宅も最近増えてきているので一概には言えませんが、外壁から外側に出ている部分のことです。
しかしこの面積だと屋根が平面になってしまうのはわかりますよね。屋根には一定の傾斜(勾配)があり、勾配を知るために図面には4/10や6.5/10と書いているんです。
10mに対して4m、6.5mの勾配が付いているという表記で4寸、6寸5分とも言います。
ではこの勾配、どのように使うかというと、インターネットで「勾配伸び率」と検索すれば一番に出てくる表を使えば簡単です。

例) 50㎡ 6寸(6/10)の場合
50×1.118=55.9(㎡)
この6㎡弱、数字で見れば小さな誤差ですが、
屋根塗装で考えた場合、 ¥3,720(日本ペイントサーモアイSi材工単価)×6㎡=¥22,320
屋根カバーで考えた場合 ¥8,000(大体)×6㎡=¥48,000
と単純な価格だけでも大きく違いが出てきます。この費用に更に諸経費や消費税が加えられるので価格差は更に広がります。


別の方向から正しい斜面(棟)の長さを測れば面積を求めることが出来ます。
●三角形 ⇒ 軒×斜面÷2 ●台形 ⇒ (軒+頂点の棟の長さ)×斜面÷2
では良く見られる屋根の形状で実際に面積を出してみましょう。


昔の住宅ですと同じ長さで作られているパターンが多いですが、近年の住宅は長さが違う事が多いのでどちらでも測ってみましょう


平面図から勾配伸び率で出しても良いですし、立面図で三角形・台形2面ずつでも算出できます。
切妻屋根と寄棟屋根の組み合わせで大半の屋根の面積は求めることが出来ます。屋根形状を複雑に見せている鳩小屋(ドーマー)も切妻屋根ですので、区別していくとそれ程難しいものではありません。
施工面積通りにはいきません

なぜか、瓦屋根とスレート屋根は塗る面積が一緒か、答えはNOです。材質によって表面積は全く違ってきます。
例えば和瓦、一般的な瓦の形状はゆったりとした波型を描いています。その分だけ、表面積は増えて約1.08倍大きくなります。
金属縦葺屋根の瓦棒、住宅でも多く使われていますが、溝板分約1.24倍大きくなります。

折板屋根の正確な面積の求め方

業者によって使う数字がまちまちなので、数社からお見積もりを取ると「どこを信用したらいいのか」、「この業者は悪徳業者」ではないのかということになります。業者に悪気はないのですが、こういったこともリフォーム業界への不信感に繋がっているのは間違いありません。
いい加減な積算をすると、塗料が足りなくなって途中で追加発注せねばならず工期が延びてしまったり、塗料が余ったりして無駄になってしまうことがあるからです。

台形の斜辺部分の長さは三平方の定理を使って算出します。「直角三角形において直角を形成する辺aと辺b、それぞれの二乗の和と斜辺cの二乗は等しい」というのが三平方の定理です。
言葉にするとよく分からないので図を載せておきます。
「そういえば昔、学校で習った」と思いだした方も多いのではないでしょうか。中学校の数学で教えられたものです。それでは計算していきます。

台形の下底は35mm、上底は200mmから35mmを引いて求めると165mmになります。
200-35=165

[上底] 165-35=130 [下底] 35-35=0
これで底辺が130 mmの二等辺三角形ができました。ちょっと分かりにくいのでひっくり返して頂角が上方にくる二等辺三角形にします。

これで対辺65mm、隣辺88mm、高さ88mmの直角三角形ができました。

65の二乗+88の二乗=11969
√11969≒109
これで斜辺の長さが約109mmだということが分かりました。

一谷分の長さ=谷の平らな部分35 mm+谷の斜辺の長さ約109mm×2+高い部分の長さ17.5mm×2
谷(山)の数を数えるのが面倒な場合は凸凹に対して垂直の長さを測り、一谷の幅200mmで割れば、谷の数も分かるので面積を求めることが可能です。

10m×1000=10000mm
10000÷200×288=14400
正確な面積が分かれば、業者の言っていることやお見積もりが正しいかどうかも判断できますよね。